Nipper湘南SPレコード愛好会

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REPORT Vol.8

 

 

会員のお宅訪問第5回 小倉大介 会員  Nov.7.2016
編集部

 

 

新東名高速道路を降り安倍川を越えると、そこは見事な茶畑が山の頂に向かって、天に届くように広がっている。この里山の一画にある小倉大介邸を訪問したのは平成28年11月7日の事であった。 先ず、庭先のガレージに招き入れられる。そこにはヴィンテージ・ジョインのドイツ製スピーカーが、さり気無くテーブルの上に置かれ、BGMを流している。

 

ここで一服すると、道路を挟んだ向かい側の畑に案内された。頑丈なフェンスに囲まれているが、よく見ると下の方に穴が開いている。しかも補修した跡もそこかしこある。聞くと鹿や猿、イノシシ対策とのこと。確かに畑のあちらこちらに掘り返されたような痕跡が見える。静岡市街からわずか30分の位置にあるのに、野生動物が出没するのには驚いた。奥様のお話では、早朝に背戸を開けると瓜坊がいたり、庭先に鹿が来たりするそうである。

 

 
 

民家が疎らなこの地は、確かにボリウムの無い蓄音機を、遠慮なくガンガン鳴らすのには格好の場所と見受けられた。 母屋に伺うと、先ずクレデンザとエジソンの蓄音機が出迎えてくれる。

母屋に伺うと、先ずクレデンザとエジソンの蓄音機が出迎えてくれる。奥の居間にはVV1−90とブランズウィックの卓上型がおかれていて、その前の座卓には調整中のプリメイン・アンプや電源用の巨大なトランスが、これも無造作に置かれていた。 いよいよ、メインシステムのあるリビングに移動する。そこにはHMV−194(オイルバス)、HMV163、HMV130、が並べられていた。オーディオシステムとしては、タンノイのスピーカーとクオードのアンプをお使いのご様子、まさに世界の銘機が揃い踏みだ。

   

 

 

氏のもう一つのコレクションは、作曲家の自筆譜である。本物は博物館でしか見られないもので勿論複製、モーツアルトやベートーベン、シューマンなど、沢山の楽譜をお持ちである。これを見るとモーツアルトは書き直しをしなかったと言われているが、これは嘘だとわかるし、ベートーベンは書き出しから1オクターブも間違えていて、これを訂正した跡が確認できる。ショパンはまるで製図のように几帳面な楽譜であるし、シューマンはどこか神経質な譜面ではある。まるで、作曲家の性格や創作の過程が分かり、ドキュメントを見ているような面白味がある。氏が自筆譜集めにはまっているのが分かるような気がする。

 

ひとしきり、氏のレクチャーが終わったところで、蓄音機の鑑賞を始める。持参した川田正子や藤山一郎のSPレコードなどもかけて頂いた。 HMVの蓄音機を3種類聴き比べるという、他では出来ないとても贅沢な鑑賞会である。HMV194はやはり安定した良い音であったが、HMV130は卓上ながら迫力があり音楽のディテールを良く表現していて、大型機と比べても遜色の無いことが確認された。会員の発表会などでも、使用頻度の高い機種であることが頷かれた。やはり名機である。  

氏は当会のホープである。これからの活動に期待したい。夢中になっているうちに、そろそろ夕刻である。長時間に亘った楽しい取材を終了し帰路についた。  今回も小倉ご夫妻は笑顔で応対して下さった。いつも心遣いを頂き取材陣一同感謝申し上げる次第である。        (M)