平成31年2月10日(日)午後2時
会場:無罣庵
テーマ:“ジュール・ブーシュリと弟子たち〜パリ音楽院のヴァイオリニスト”
担当:相原直樹
使用蓄音機:E.M.G. Mark VII (1928年頃・英国製)
私は生を受け、ヴァイオリンを弾いた。人は私についてこう言うだろう。「彼はヴァイオリン弾きだった」。
マルク・ソリアノ編著『ヴァイオリンの奥義』より
<Program>
I. ジュール・ブーシュリと弟子たち〜パリ音楽院のヴァイオリニスト
- 協奏曲第5番イ長調 K.219〜第3楽章「メヌエット」(モーツァルト)
- タイスの瞑想曲(マスネ/マルシック編)
ジュール・ブーシュリ (1877-1962) ルイ・ディエメール(p) 仏 Zonophone Rec.1906 - ソナタ第3番 op.9 より「タンブラン」(ルクレール)
ジャンヌ・ゴーティエ (1898-1974) ピアノ伴奏 仏 Odeon - シンコペーション (クライスラー)
ジャン・シャンペイユ (1910-?) リュシアン・プティジャン (p) 仏 Disque Gramophone - 楽興の時(シューベルト/クライスラー編)
ミゲル・カンデラ (1914-?) モーリス・フォール(p) 仏 Columbia Rec. 1930 - 華麗なるポロネーズ第2番 イ長調 op.21 (ヴィエニャフスキ)
アンリ・テミアンカ (1906-1992) ピアノ伴奏 英 Parlophone Rec.1935 - シシリエンヌ(パラディス/ドゥシュキン編)
ジネット・ヌヴー (1919-1949) ブルーノ・ザイドラー=ヴィンクラー(p) 英 HMV Rec.1938 - 無言歌集op.62 より「春の歌」(メンデルスゾーン)
ジャック・デュモン (1913-?) アンドレ・コラール(p)仏 Pathé - かっこう(ダカン/マネン編)
アンリ・レウコヴィッツ (1919-1983) ペドロ・ヴァルリベラ (p) 西 Columbia - プニャーニの様式による前奏曲とアレグロ(クライスラー)
クリスチャン・フェラス (1933-1982) アーネスト・ラッシュ(p) 英 Decca Rec.1948 - イントラーダ(デプラーヌ)
マルセル・シャイエ (1891-1936)の弟子たちによるアンサンブル 仏 Lumen Rec.1936 - 協奏曲第3番ト長調 K.216〜第2楽章「アダージョ」(モーツァルト)
ドニーズ・ソリアノ (1916-2006) J.ブーシュリ指揮 管弦楽団 仏 Pathé Rec.1937 - 夜想曲第2番変ホ長調 op.9-2(ショパン/サラサーテ編)
ジュール・ブーシュリ (1877-1962) ルイ・ディエメール(p) 仏 Zonophone Rec.1906
II. 師弟演奏会
【Cello】
1. 無伴奏チェロ組曲第6番二長調 BWV1012~サラバンド(J.S. バッハ)
2. アダージョ・カンタービレ(タルティーニ)
ユリウス・クレンゲル (1859-1933) 独 Polydor Rec.1927
3. 4つの小品 op.20-2 「泉のほとりで」(ダヴィドフ)
エマヌエル・フォイアーマン (1902-1942) フランツ・ルップ (p.) 米 Victor Rec.1939
【Flute】
4. 管弦楽組曲第2番 BWV1067 より「ポロネーズ&バディネリ」(バッハ)
フィリップ・ゴーベール (1879-1941) 仏 Disque Pour Gramophone Rec.1919
5. ヴェニスの謝肉祭(ジュナン)
マルセル・モイーズ (1889-1984) 仏 Disque Gramophone Rec.1927
【Piano】
6. 夜想曲第2番変ホ長調 op.9-2 (ショパン)
アルフレッド・コルトー (1877-1962) 英 HMV Rec.1929
7. 夜想曲第8番変ニ長調 op.27-2 (ショパン)
ディヌ・リパッティ (1917-1950) 仏 Columbia Rec.1947
※当日は上記プログラムからセレクトして演奏。
使用蓄音機について
E.M.G. Mark VII (1928年頃・英国製) EMG と言えば、薄い紙を何層にも貼り重ねたパピエ・マッシュという技法で作られた巨大な外付けホーンで有名だが、Mark VIIはエボナイト製ホーンがキャビネット内に納められた大変珍しいモデルである。E.M.G.という名前は、EMG社を立ち上げたEllis Michael Ginn の頭文字をとったもの。
竹針について
使用レコードの再生に適した竹針として今回は以下の4種を選定。
(1)E.M.G (1930 年代英国製)
(2)Expert (1930 年代英国製)
(3)コンゴー(日本製)
(4)百年以上前の煤竹から作られたもの(日本製)
※サウンドボックス装着時の針の角度は55〜60度。
EMG社では角度を決める専用ゲージまで製造、販売していた。
湘南 SPレコード愛好会 N. AIHARA
相原年度がスタートしました
前日の降雪が嘘のように、例会日は朝から素晴らしい好天に恵まれ、まるで相原直樹新会長の船出を祝福するような日和となりました。第36回例会は、2019年度の初例会日です。司会進行役のMac杉崎顧問が、開会の言葉を述べ初例会がスタートです。次に相原会長が就任の挨拶と報告を行い、続いて今年度への抱負を披露しました。今期の目標に「次代への文化遺産の継承と普く啓蒙活動を行う」を掲げました。さあ、相原年度が始動です。
ジュール・ブーシュリと弟子たち~パリ音楽院のヴァイオリニスト
お話:相原直樹会長
相原会長は ヴァイオリンの“フランコ・ベルギー派”を特に愛好しており、中でもブリュッセル王立音楽院と並び、総本山とされる“パリ音楽院”の名教授、そして大ヴァイオリニストでもあるジュール・ブーシュリとその門下生達の美しい演奏を取り上げました。SP盤は“相原コレクション”から厳選し、特製の竹針を使用して、これも会長の愛好するEMGの蓄音機で再生し鑑賞しました。
E.M.G.MarkⅦ について
今回、渡辺治雄氏のご厚意により、門外不出の蓄音器を特別にお借りしました。「相原会長はEMGファンなので、同好のよしみとして又会長就任お祝いを兼ねて。」との事です。このモデルは、世界に数十台しかなく、氏はそのうちの2台を所有おり、エボナイト製のホーンを持つ最高級機であり、他に類を見ない希少な蓄音機です。